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地球のタブー

 ついにできた。地球再現マシーン。世界的な科学者である私が、誰にも言わず密かに研究を続け、開発を続け、やっと完成した。この地球再現マシーンを簡単に説明すると、地球の元となる物質、環境をマシーンに入力すると地球がコンピューター上で出来上がり、地球の歴史を刻みだす。人も生まれ、文明を作り、繁栄していく。もちろんコンピューター上であるが。私の研究で、ビックバンから発生した全ての物質の動きはそれぞれが決まっていて不変であると発見できたので、私達が生きている地球の素を入力すれば、今の地球がありのままに再現されていくのだ。これにより人類が仮定、想像でしか見ることのできなかった地球太古の状況を、この目で見て知ることができる。
 私はすぐさまマシーンに、既に発見してある地球の素等の基本情報を入力し、スタートボタンを押した。とりあえず時間の進行速度を、私達が体感している一秒の1000万倍とした。少し経つと巨大スクリーンに小さな岩がたくさん映し出され、それが衝突し合い地球の形ができあがってきた。
 しばらくするともどかしくなってしまい、時間の進行速度を標準に戻し時間だけを飛ばすことにして、この発明を発表する前に自分で見たい所だけを見ることにした。恐竜の絶滅した理由を見て感動したり、クレオパトラの顔、楊貴妃の顔を見て……私も男だなと笑ったり、とにかく私は興奮し続けた。   ん……待てよ。もしかしたら時間を早めればコンピューター上の私も見られるのでは。と思い時間を早めて探すと……いたいた。私だ。なんか奇妙な感じだな。もっと進めてみよう。……お!スクリーンの中の私が地球再現マシーンを完成させ興奮していた。我ながら素晴らしい発明をしたもんだ。忠実にさっきの出来事が再現されている。楊貴妃を必死に見始めた私を私は笑った。しばらくすると、スクリーンの中の私が地球再現マシーンで私を見つけた。本当に奇妙だ。私は私を見つけ、見つけた私が私を見つけたのだ。
 とその時、私の頭に雷に打たれたような感覚が走った。もしや……このマシーン未来も見られるのでは…………?私は震える指で更に時間を進めた。今から少し時間を進めてみると、スクリーンに未来の私が映し出された。凄い。体中が震えた。ん……なんか様子が変だな。スクリーンの中の私は何か天井を見て口を空けている。天井?天井というよりもっと遠く。未来の私は地球再現マシーンの方ではなく上に顔を向けているのだ。そしてスクリーンに映し出された未来のスクリーンにも、天井を見て口を空けている私が映っている。……どういうことだ……?
 「まさか……この世界は……」
突然スクリーンの中の私がぼそぼそと何か言葉を発した。私はマシーンの音量を最大まで上げ耳を澄ました。
「……なんということだ……創られたのか私もこの地球も……」
私はゾクッと寒気が全身を駆け巡った。と同時に上方からの奇妙な視線を感じ、思わず天井を身上げた。天井というよりもっと遠くを。そして私はぼそぼそと言葉を発した。……まさか……この世界は……。なんということだ……創られたのか私もこの世界も……。

 それから数年が経った。私はこの発明を発表することはなかった。地球のタブーに触れたこの発明を。


             完

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テーマ: ショートショート -  ジャンル: 小説・文学
by コジン  at 14:48 |  ショートショート |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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