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願いごと (※作者:私の弟)

ある所に、心優しい一人の女の子がいました。
女の子は毎朝、鶏の鳴き声と共に目を覚まします。
そして鶏にエサをあげます。
「おいしい?」
鶏はエサをつつくだけで答えてはくれません。

部屋に戻り、人形の髪をブラシでとかします。
「ほら、きれいになったでしょ。気に入った?」
女の子の声に人形は答えてくれません。
裏庭に出てお花に水をあげます。

「お水、気持ちいいでしょ?」
花は答えてくれません。
女の子は思いました。

どうしてみんな返事をしてくれないの……?
女の子は天使にお願いしました。
「みんなとお話がしたいの。天使さんおねがい」
天使は答えてくれません。
「どうして答えてくれないの?」
女の子は泣き出してしまいました。

するとそこに悪魔が現われて、
「かなえてあげようか?」
「あくまさんは、かなえられるの?」
悪魔は不気味に笑いながら答えます。
「もちろん、ただし君の命を少しもらうよ」
女の子は大喜びして、願いが叶うならと思い悪魔に頼みます。
「おねがいします。みんなとお話がしたいの」
悪魔は笑いながら踊りだします。
「はい叶ったよ。バイバイ」
女の子はスキップをしながら家に帰りました。

次の日
コケコッコー朝ですよー。
鶏の鳴き声と共に女の子は目を覚まします。
そして鶏にエサをあげます。
「おいしい?」
「おいしいよ。いつもありがとう」
鶏が答えてくれました。

女の子はニコニコしながら部屋に戻り、人形の髪をブラシでとかします。
「ほら、きれいになったでしょ。気に入った?」
「うん。いつもきれいにしてくれてありがとう」

女の子はニコニコしながら裏庭に出てお花に水をあげます。
「お水、気持ちいいでしょ?」
「きもちいいよ。いつもありがとう」

みんな女の子に感謝してくれました。
女の子は夢のような時間を過ごしました。

辺りも暗くなりお母さんが女の子を呼びます。
「夕飯できたわよー」
「はーい」
女の子はニコニコしながら席に着きます。
「今日はあなたの誕生日だから鳥の丸焼きを作ったわよ」
女の子は急に固まったように動かなくなりました。
「どうしたの?食べないの?」
女の子は耳を塞いだまま走って部屋に閉じこもってしまいました。

それ以来
女の子は一切食べ物を口にしません。
女の子は聞いてしまったのです。食べ物の声を……。
悪魔は囁きます。
願いを叶えてあげようか?


     完

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テーマ: ショートショート -  ジャンル: 小説・文学
by コジン  at 15:51 |  ショートショート |  comment (2)  |  trackback (0)  |  page top ↑
Comments

No title

弟さん、上手いですね。
どれくらいの歳かは知りませんが、面白かったですw
by 鬼団子 2008/08/28 20:15  URL [ 編集 ]

鬼団子さんへ

ありがとうございます。
コジンが書いている『白線』も読んであげてください。笑
おすすめです。
またいつか、このブログで自分の作品を載せてもらうつもりです。
by 弟です 2008/08/29 20:51  URL [ 編集 ]
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